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2017年10月19日

ある結核保養所の歩み(建築の歴史)6

順序が逆になるが、昭和四十四年開設の特別養護老人ホームは、群馬県の第一号施設であり、この社会福祉法人で最初の鉄筋の建物である。法人本部の建物も同時に建てられている。建設の苦労話は、亡くなった理事長から聞いている。普通は、県を窓口として補助金が決まるが、オートレースや競輪からの補助もある。正式な名称は、日本小型自動車振興会、日本自転車振興会という。競艇は、日本船舶振興会という。競馬は、中央競馬会であるが、建築物の補助金は出していない。公的ギャンブルの益金だが、お金に色はついていない。同じギャンブルでも、パチンコの益金は、今も福祉関係に流れてこない。この特別養護老人ホームの補助金は、日本自転車振興会の補助金と国庫補助金を二年度に分けてもらっている。老人の居室棟は、平屋建てで一棟が十二人という仕切りのない相部屋であったが、中庭があってなかなかモダンな設計であった。廊下が管理棟を挟んで長く延びていた。天井は低く、配管がむき出しで、船室のようだと思ったが、廊下の一部が坂になっていたのには驚かされた。理由があって、坂の上と下の居室棟は、補助の出所が異なっていたためで、あえてそうしたのだと聴いた。老人の施設は、フラットのほうが良いというのは自明なのだが。将来的に、建物が老朽化したときは、その修繕費は、補助金を出したところが行う。オートレースと競輪は、共同で修繕の補助をする組織を持っている。車両競技記念財団といったと思うが、申請の窓口で県に相談に行ったりして、ピンポン球のような経験をしたことを覚えている。今、この補助金で建てられた建物で残っているのは、本部事務所の建物だけになっている。


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