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2019年02月06日

「俳句の心」山口誓子著 毎日新聞社

 俳人山口誓子は、長命であった。94歳まで生きた。明治34年(1901年)の生まれであるから、さすがに正岡子規に俳句を直接学ぶことはできなかったが、高浜虚子の主宰した「アララギ」で俳句を鍛えた。三高から東京帝大に進んだエリートであるが、企業に就職している。著書を読んでみると、「アララギ」が主張した写生を基本としている。構図とスケッチ、そこに色付けするところに絵画に似ている。何を書くのかは作者の心であって、その心は感動である。それは、本居宣長の言った「あわれ」に通じるという。「あわれ」を分解すると「ああ」と「はれ」だという。造化の心に触れることでもある。芭蕉も無視していない。
  アララギの家人斎藤茂吉の考え方、「実相観入」にも共感している。
  むかうより瀬のしらなみの激ちくる天竜川におりたちにけり
を挙げて評価している。三高から京都帝大に進んだ数学者の岡潔は、歴史、文学の批評にも深い見識をもっており、俳句は芭蕉が第一であるとしたが、斎藤茂吉のこの歌は、評価した。数々の数学の難問を説いた自分の気持に通じるものを感じたのであろう。
 山口誓子の句は、多く知らないが
 海に出て木枯らし帰るところなし
は、良い句だと思っている。確か昭和19年の句だった記憶がある。深読みすれば特攻隊のことを連想する。


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