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2024年01月17日

伊藤園に選ばれた俳句より(月)

                  地上から今浮き上がり月の道


満月であろうか。
地平を離れて位置を少しずつ変えている。
その軌跡は、月の道のようだ。
しばらく月を眺めてしまう。
  

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2024年01月16日

伊藤園に選ばれた俳句より(曼殊沙華I

                  息をのむ花火のような曼殊沙華


曼殊沙華は、一本だけでなく群生しているのだろう。
その朱色をみていると、花火のように見えてくる。
息をのむようにして見た。
  

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2024年01月15日

伊藤園に選ばれた俳句より(銀杏散る)

                  銀杏散る今日が最後の棒高跳


作者は、高校生。
陸上競技部に所属している。
秋の大会に参加して棒高跳に臨んでいる。
時に、銀杏の木が黄葉している。
最後の棒高跳になることを自覚し、思い切り棒を握った。
  

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2024年01月14日

伊藤園に選ばれた俳句より(稲光)

                  稲光誰かの怒り知らせてる


遠くで稲光がしている。
だんだん近くで光り、風も近くなってきた。
誰かの怒りを知らせているようだ。
風神雷神のようだ。
  

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2024年01月13日

伊藤園に選ばれた俳句より(土筆)

                  泥んこに強く根をはる土筆かな


「土筆なんの子スギナの子」という歌詞の歌がある。
雨上がりに道はぬかるんでいる。
しかし、土筆はたくましく根を張っている。
  

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2024年01月12日

伊藤園に選ばれた俳句より(春)

                  はがぬけた春のそよ風通ってく

作者は、小学生。
乳歯がぬけてその間を春風がぬけて行くと感じた。
慌てふためいていないのが偉い。
あどけなさも伝わってくる。
  

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2024年01月11日

伊藤園に選ばれた俳句より(花の種)

                  花の種どんな型の未来やら

花の種がどんな花を咲かせるかわからない。
しかし、必ず咲いてくれると確信している。
花が咲くのが待ちどうしい。
行く末への楽しみがある。
  

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2024年01月10日

伊藤園に選ばれた俳句より(散る花)

                  散る花に追い越されたる教習車

満開を過ぎた桜の花は潔く散っている。
そんな中で、車の運転免許の実地教習車に乗っている。
なれない操作での運転で車を花が追い越していく。
  

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2024年01月09日

伊藤園に選ばれた俳句より(遅桜)

                  幸せを継ぎ足してゐる遅桜


染井吉野の桜が咲き終わると、遅桜が咲き出す。
そのバトンタッチを幸せを継ぎ足すと表現した。
櫻のスケッチが的を得ている。
  

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2024年01月08日

伊藤園に選ばれた俳句より(桜前線)

                 先生の前髪北上櫻前線


作者の年齢から、先生は高校の教諭であろう。
桜前線が北上するように、前髪が北上していると表現しているのが面白い。
なかなかユーモアがあって品もある。
  

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2024年01月08日

伊藤園に選ばれた俳句より(前書き)

伊藤園のお茶のボトルには、選ばれた秀作が載っている。
私の友人も選ばれ賞をもらったことがある。
ご褒美は、女房殿召し上げられたようだ。
句の批評をするのではなく、鑑賞として改めて句を取り上げたい。
目的は好学のためである。

  

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2024年01月07日

『松尾芭蕉俳句集』より(雲雀)

                  原中や物にもつかず鳴く雲雀


野原には、木がほとんどない。
そんな環境でも雲雀は空を飛びながら囀っている。
雲雀であることは、啼き声でわかる。
  

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2024年01月06日

『松尾芭蕉俳句集』より(なずな)

                  よくみればなずな花さく垣根かな


普段、なにげなく通る道脇の垣根を見るとなずなの花が咲いている。
目立たない白い花で気にとめないと見られない。
春の七草には薺と漢字で書かれているが、平仮名にした。
  

Posted by okina-ogi at 15:39Comments(0)書評

2024年01月05日

『松尾芭蕉俳句集』より(水仙)

                 初雪や水仙のはのたわむまで


水仙の花は、春早く咲く。
球根で育ち葉を韮と間違って食べる事故もよく聞く。
初雪で水仙の花はまだ咲いていないのだろう。
葉に降りかかり、葉は垂れている。
  

Posted by okina-ogi at 09:50Comments(0)書評

2024年01月04日

『松尾芭蕉俳句集』より(水とり)

                 水とりや氷の僧の沓の音

水とりは、東大寺の二月堂の行事。
三月の行事なので、氷の僧という表現はふさわしくないという感じだが、僧の緊張感が伝わってくる。
厳粛な中で行われ、僧の沓音が静寂を破り聞こえてくる。
  

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2024年01月03日

『松尾芭蕉俳句集』より(草)

                  草いろいろおのおの花の手柄かな

いろいろな草が萌えているが、花をつけているものが多い。
そうした草に目が行くのも花の手柄と言ってよい。
雑草という名の植物はないのである。
皆個性があり、名前を与えられている。
  

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2024年01月01日

『松尾芭蕉俳句集』より(はる)

                 おもしろやことしのはるも旅の空


芭蕉という人物は旅を愛した。
その中に生まれる心情を俳句という形にしていく。
自然や人、そして造化にも心が向かう。
おもしろいという感情も吐露しているのは芭蕉には珍しい。
  

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2023年12月30日

『松尾芭蕉俳句集』より(五月雨)

                  五月雨にかくれぬものや瀨田の橋


近江は五月雨が降りもやに包まれている。
そういう中で瀨田の橋は姿を隠さないでいる。
下流にある渡月橋と趣が違っている。
  

Posted by okina-ogi at 10:43Comments(0)書評

2023年12月29日

『松尾芭蕉俳句集』より(草の戸)

                  草の戸も住替る代ぞひなの家

自分は遠く旅に出る。
今まで住んでいた家には他人が住むことになる。
うらさびれた田舎の家なのに。
  

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2023年12月27日

『松尾芭蕉俳句集』より(木下やみ)

                 須磨寺やふかぬ笛きく木下やみ


一の谷の源平の戦を須磨に来て思いを寄せる。
若き武士(もののふ)も命を落とした。
その公達の青葉の笛の音は聞きようもないが、芭蕉の心の中に響ている。
  

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