2012年10月15日
『厚生労働白書』(24年版)を読む(5)―P・79
福祉レジーム
○自由主義レジーム(アメリカなどのアングロ・サクソン諸国)
○社会民主主義レジーム(スウェーデン、デンマークなどの北欧諸国)
○保守主義レジーム(ドイツ、フランスなどの大陸ヨーロッパ諸国)
日本は、どこに所属するかというと、自由主義レジームと保守主義レジームをくみあわせたようになっていると指摘している。それぞれのレジーム概略的に述べると、自由主義レジームは、市場の役割が大きく、リスク管理は、個人的な責任で、社会保障は貧困層に限られた給付がなされる。社会民主主義レジームは、国家の役割が大きく、高所得者でも低所得者でも同じ社会保障の給付が受けられる。高福祉、高負担となっている。保守主義レジームは、家族や職域の役割が大きく、リスクの共同負担(連帯)と家族主義を志向している。歴史的背景としては、カトリック教会とギルドの影響があるとされる。社会保障は、先進国に学ぶのは良いとしても、その国の人々が納得しやすいかたちで進めるのが良い。税の福祉への使い方は、これから本格的に議論されるが、『厚生労働白書』は、一度目を通しておいた方が良いと思う。
Posted by okina-ogi at 12:47│Comments(0)
│書評