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2020年12月10日

『高浜虚子句集』より(仔猫)

                スリッパを越えかねてゐる仔猫かな


猫の子が産まれだいぶ大きくなった。
家の中を気ままに歩いている。
ふと目の前にスリッパがあり、どうしたらよいか決めかねてゐる。
  

Posted by okina-ogi at 17:51Comments(0)書評

2020年12月09日

『高浜虚子句集』より(柳)

                 一様に岸辺の柳吹き靡き


川岸には柳が植えられている。
芽吹きが始まっている。
そこに強い春風吹きつけて、柳は一様に同じ方向に靡いている。
  

Posted by okina-ogi at 10:50Comments(0)書評

2020年12月08日

『高浜虚子句集』より(沈丁花)

                   沈丁の香の石階に佇みぬ


沈丁花の香りがしてきた。
春の花である。
石段があったのでそこに腰かけて香りを味わった。
  

Posted by okina-ogi at 17:18Comments(0)書評

2020年12月07日

『高浜虚子句集』より(桜)

                  今日ここの花の盛りを記憶せよ


桜が満開である。
とりわけこの場所で見る桜は良い。
この情景を忘れないように自分に言い聞かせている。
  

Posted by okina-ogi at 11:59Comments(0)書評

2020年12月06日

『高浜虚子句集』より(海苔)

                  日をのせて浪たゆたえり海苔の海


季語は海苔だが、海苔の海で初春ということになるのだろうか。
海苔の収穫を見たことはないが、春の海でひねもすのたりという中で行われるのだろう。
日が海に照って波は緩やかに揺れている。
  

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2020年12月05日

『高浜虚子句集』より(都鳥)

                都鳥飛んで一字を画きけり


ユリカモメのことを都鳥という。
鳥の知識はとんとない。
鳶が輪を画くのは、童謡にもあって理解できるが、都鳥が文字を画くとは想像できない。
果たしてどんな字か。
一ではあるまい。
  

Posted by okina-ogi at 12:11Comments(0)書評

2020年12月04日

『高浜虚子句集』より(冬木)

                 冬木切り倒しぬ犬は尾を立てて


庭にある木が大きくなった。
葉を落とした冬木になったので切り倒すことになった。
近くにいる犬が尾を立てている。
どのような気持ちで見ているのだろう。
鳴き声は書いていない。
  

Posted by okina-ogi at 17:11Comments(0)書評

2020年12月03日

『高浜虚子句集』より(枯木)

暮れてゆく枯木の幹の重なりて


枯木は枯れた木ではない。
落葉して裸木になった冬木である。
雑木林のようになっていて、幹が重なっている。
夕日は落ちて暮れてゆく。
  

Posted by okina-ogi at 08:55Comments(0)書評

2020年12月02日

『高浜虚子句集』より(鳰)

                 浮き沈む鳰の波紋の絶え間なく

子規も鳰の俳句がある。
動きの少ない鳰の句である。
この鳰は、活発な動きを見せる。
自から池に波紋を広げる。

  

Posted by okina-ogi at 09:18Comments(0)書評

2020年12月01日

『高浜虚子句集』より(時雨)

        天地の間にほろと時雨かな

さほどに強い時雨ではない。
春雨のような柔らかさはないがほろほろと降っている。
時雨の降り始めを詠んだのであろう。
  

Posted by okina-ogi at 10:15Comments(0)書評