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2017年07月29日

一期一会(?)のゴルフ

ゴルフと言うスポーツは、イギリスで生まれた。会員制で特定の人としかプレーができない。今もメンバー、ビジターと受付で区分されている。通常4人でのプレーになるが、料金は、割り増しになるが、2人でも可能である。さすがに、一人では予約ができない。そう思っていたら、インターネット予約だが、「1人予約」というのがある。但し、「2人予約」にならないと成立しない。
この場合、相手は未知の人である。ゴルフの習慣からすれば、違和感があるのだが、人との出会いは、何かのきっかけである。ご縁ということで、その後のお付き合いができることもあるかもしれないが、同じ趣味のゴルフを楽しみましょうということである。
とは言え、緊張感もあったのか、クラブ1本の忘れ物をした。次のゴルフの時に気付き、ゴルフ場に連絡したら保管してもらえていた。忘れられないゴルフ体験になった。こうした一期一会のようなゴルフも慣れれば気にならなくなるだろう。平日にプレーができる、リタイヤした、高齢者にとっては、ラッキーな制度かもしれない。
  

Posted by okina-ogi at 15:58Comments(0)日常・雑感

2017年07月25日

『韓のくに紀行』 司馬遼太郎著 朝日文芸文庫



日本と朝鮮半島の関係は、古来より密接な関係がある。日韓併合があって依頼、感情的にしっくり行かない関係になっている。仏教伝来も朝鮮半島経由だったし、古代の先進的技術は、半島から流れて来たと言って良い。
65歳になった節目に、九州旅行を思い立った。唐津から伊万里、有田、平戸を旅先に選んだ。佐世保、長崎は候補地からはずした。時間的余裕がないということもあるが、九州北岸の地に絞った。その中に、前から一度訪ねてみたかった、歴史的遺跡がある。豊臣秀吉が、朝鮮出兵の前線基地として築いた名護屋城跡である。
文禄・慶長の役というが、適当な文献がない。遠い過去の歴史を学術的に調べて見るつもりはない。書棚を眺めていたら、この本が眼に留まった。目次を見ると、文禄・慶長の役に触れている箇所がある。その中で、「降倭」という文字に関心が留まった。秀吉軍の中で降伏した兵士が、朝鮮に留まり朝鮮人として生きた。佐賀の焼き物のルーツは、朝鮮人の陶工だということもある。不幸な歴史から生まれた異国に生きた人たちに関心が向いた。司馬遼太郎の『街道を行く』シリーズは全巻読んだわけではないが、久しぶりに司馬節の文章に触れた。夏の旅の良い参考文献になりそうである。紀行文を書いてみたい。
  

Posted by okina-ogi at 11:22Comments(0)書評

2017年07月08日

『菜根譚』 洪自誠著

社会事業家であった、後藤靜香の全集で、この本の存在を知った。最近、蔵書の整理をしていたらこの本が出てきた。少しは読んでいたのだろうが、あらためて読んでみた。1996年の版で徳間書店から出版されたものだ。口語文の訳本である。
洪自誠は、明王朝時代の人である。日本では、織豊時代から徳川の時代に移る頃の人である。官吏であったかもしれないが定かではない。江戸時代の後期になって、前田藩の儒者が紹介し広く読まれるようになった。学術書ではないが、短い処世訓が並んでいる。なるほどと思う指摘が多い。文も短い。著者の倫理観は、中国の古来からの宗教的、道徳的要素が背景にあるが、現世で得た経験知でもある。
日本の政治家や実業家の愛読書になっているらしい。田中角栄、松下幸之助といった人達である。「手柄は人にやれ。泥は自らかぶれ。敵を減らせ」などと角さんは言っていたが、手本はこの本だったのだろう。松下幸之助の『一日一話』にも当然反映されている。実行できるかは別として、口ずさむだけでご利益があるかもしれない。無欲、向上心、謙譲という資質があれば申し分がない。
  

Posted by okina-ogi at 10:13Comments(0)書評