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2020年07月31日

『高浜虚子句集』より(蚊帳)

             蚊の入りし声一筋や蚊帳の中

今日では一間に蚊帳を吊って蚊から身を守ることはしない。
赤ん坊が寝ている時に小さな蚊帳をすることがあるかもしれない。
蚊帳とても小さな穴から蚊が進入することはある。
一匹でも蚊の飛ぶ音が気になる。
  

Posted by okina-ogi at 09:29Comments(0)書評

2020年07月30日

『高浜虚子句集』より(早苗)

            早苗取る手許の水の小揺れかな


田植えの季節になった。
苗も植えるのにちょうど良いくらいになったので早苗取が始まった。
その人の手元を見ると水が震えている。
苗の土を落としているのである。
細やかな観察である。
  

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2020年07月29日

『高浜虚子句集』より(焚火)

今朝も亦焚火に耶蘇の話哉

毎朝、業にしているしている落葉掃きである。
それを焚火にするのも仕事の流れである。
虚子が近づいて当たろうとする決まって、聖書、キリスト教の話になる。
あたらせてもらうお礼のように聞いている。
  

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2020年07月28日

『高浜虚子句集』より(秋の灯)

       秋の灯や照らし出す仏皆観世音



観世音寺は、鑑真和上ゆかりの寺で大宰府にある。
古い梵鐘もあり歴史のある寺である。
二度この寺に行ったことがるが、観世音は拝見できなかった。
虚子は像をしばらく見入ることができたであろう。像は、秋の灯に照らされている。
  

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2020年07月28日

『高浜虚子句集』より(一葉)

               濡縁に雨の後なる一葉かな

今では廊下に雨が吹き込む濡縁の作りの家をあまり見なくなった。
テラスなどに代わっている。
雨が降った後その濡縁にどこからとな飛んできてはなれない葉が一枚あった。
  

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2020年07月27日

『高浜虚子句集』より(通草)

              烏飛んでそこに通草のありにけり


アケビが実る季節になった。
皮が割れて、人間でも食べたい実である。
めざとく烏がみつけて食べに飛んで行った。
  

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2020年07月27日

『高浜虚子句集』より(墓参)

              凡そ天下に去来程の小さき墓にまいりけり


去来の墓は、去来が住んでいた『落柿舎』にちかい。
一度お参りしたことがある。
自然石が置いてあるように小さい。
漱石の
             菫程な小さき人に生まれたし
を連想する。
  

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2020年07月26日

『高浜虚子句集』より(蝉)

              ぢぢと鳴く蝉草にある夕立かな


激しい夕立の後、蝉は草むらに落ちたと見えて、そこで鳴いている。
木の幹にとまってて鳴くのが自然であるが、こんなこともある。
  

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2020年07月25日

『高浜虚子句集』より(桐落葉)

  桐一葉日当たりながら落ちにけり

桐の葉の落下に秋を感じるのは、月並みだが、日が当たりながら落ちていくという写生も平凡のようだが、秋晴れの日を想像させる。
  

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2020年07月24日

『高浜虚子句集』より(冬の山)

             冬の山低きところや法隆寺


法隆寺のの背後にある山はそれほど高くない。
もう少し行けば法隆寺の建物が見えてくるだろう。山は、冬で眠っているようである。
  

Posted by okina-ogi at 20:06Comments(0)書評

2020年07月24日

『高浜虚子句集』より(清水)

              冷水のべば汗軽るらかになるにけり

とにかく暑い日である。
額に汗が流れていて、何度も手拭いで汗を拭う。
それでも汗が出てくる。
のども乾き、清水を飲むと汗も気にならなくなった。
  

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2020年07月23日

『高浜虚子句集』より(雪)

我を迎ふ旧山河雪を装うへ

しばらくぶりに故郷松山に帰ると、雪を覆ったやまもあり川も流れている。
有難く迎えてもらう気持ちになる。
短歌の違いはあるが、啄木の心境である。
  

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2020年07月22日

『高浜虚子句集』より(蛍)

            蛍追ふ子供ありて人家近きかな


蛍を追いかけるのは子供が楽しむ蛍狩りである。
夜だから家からそれ程遠くにはいかない。
子供たちの姿を見て人家が近いと感じた。
  

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2020年07月21日

『高浜虚子句集』より(柳)

            舟岸につけば柳に星一つ

夕方になって、小舟が行き来する舟場につくと、星が一つ見えるではないか。
金星だと思うが、岸には柳が植えられていた
。  

Posted by okina-ogi at 19:27Comments(0)書評

2020年07月21日

『高浜虚子句集』より(春の水)

             一つ根に離れ浮く葉や春の水


虚子は鎌倉に住んでた。
鶴岡八幡宮にある池を思い出した。
蓮の花が咲いてとても美しかった。
その池には水草もあって、なんとなく葉を浮かべていた。
しかし、水面下では同じ根に繋がっている。
虚子の代表作である。
  

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2020年07月20日

『高浜虚子句集』より(春風)

                 春風や闘志いだきて丘に立つ

虚子の闘志がなんに対してかは分らない。
しかし、丘に立ち下界を見下ろす虚子の姿を思い浮かべると威厳を感ずる。
春風は対照的にやわやわと吹いている。
  

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2020年07月18日

『高浜虚子句集』より(大根の花)

             大根の花紫野大徳寺

大徳寺は、京都の紫野にある禅宗の大きな寺である。
千利休の墓地もある。大学生の時、大徳寺の並び屋に下宿した。
二階から寺の庭が見えた。
大根の花は白である。
紫野との組み合わせに技巧がある。
  

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2020年07月17日

『高浜虚子句集』より(朧月)

           海に入りて生まれかわらう朧月


水平線に近いところに朧月があるのだろう。
海なし県に住んでいるとこんな風景を見られない。
月は海に沈み、新たにまた現れる。
二十代そこそこの句である。
  

Posted by okina-ogi at 09:23Comments(0)書評

2020年07月16日

『高浜虚子句集』より(蓑虫)

            蓑虫の父よと鳴きて母もなし


蓑虫を見かけなくなった。
それより鳴いたところに出会ったこともない。
昔から「父よ父よ」、「乳よ乳よ」と鳴くのがのが哀れに感じらてきた。
芭蕉の句に

蓑虫の音聞きにこよ草の庵
  

Posted by okina-ogi at 08:59Comments(0)書評

2020年07月15日

『虚子句集』より(春の夜)

           春の夜や机の上に肱まくら

俳句の創作に思索しているのか。
このポーズだが、虚子には合っているのだろう。
春の夜は深くなっていく。
  

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