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2023年12月30日

『松尾芭蕉俳句集』より(五月雨)

                  五月雨にかくれぬものや瀨田の橋


近江は五月雨が降りもやに包まれている。
そういう中で瀨田の橋は姿を隠さないでいる。
下流にある渡月橋と趣が違っている。
  

Posted by okina-ogi at 10:43Comments(0)書評

2023年12月29日

『松尾芭蕉俳句集』より(草の戸)

                  草の戸も住替る代ぞひなの家

自分は遠く旅に出る。
今まで住んでいた家には他人が住むことになる。
うらさびれた田舎の家なのに。
  

Posted by okina-ogi at 10:33Comments(0)書評

2023年12月27日

『松尾芭蕉俳句集』より(木下やみ)

                 須磨寺やふかぬ笛きく木下やみ


一の谷の源平の戦を須磨に来て思いを寄せる。
若き武士(もののふ)も命を落とした。
その公達の青葉の笛の音は聞きようもないが、芭蕉の心の中に響ている。
  

Posted by okina-ogi at 12:11Comments(0)書評

2023年12月15日

『松尾芭蕉俳句集』より(ほととぎす)

                 ほととぎす消行方や島一つ


ほととぎすが飛んでいく方向に島が一つある。
その島で羽根を休めるのかもしれない。
やがて見えないところに飛んで行ってしまう。
  

Posted by okina-ogi at 10:05Comments(0)書評

2023年12月13日

『松尾芭蕉俳句集』より(春雨)

                  春雨のこしたにつたふ清水哉


春雨が降り続いているが、木下にのぞく清水にも同じように春雨がかかっている。
新緑の中を流れる清水である。
清水は濁っていない。
  

Posted by okina-ogi at 09:30Comments(0)書評

2023年12月11日

『松尾芭蕉俳句集』より(櫻)

                  さまざまの事思い出す櫻かな


櫻の花は満開である。
花の間から青空も覗かせている。
来し方のさまざまな思い出がよみがえってくる。
懐かしさにつつまれて。
  

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2023年12月09日

『松尾芭蕉俳句集』より(落馬)

                 歩行(かち)ならば杖つき坂を落馬哉

流石の健脚の芭蕉も馬に乗って坂道を登った。
前書きに
「馬かりて杖突坂上るほど荷鞍うちかえりて馬より落ちる」
と説明している。
珍しく無季の句である。
  

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2023年12月07日

『松尾芭蕉俳句集』より(梅つばき)

                  梅つばき早咲き褒めむ保美の里

芭蕉は、渥美半島の保美という地名に興味をもった。
そこには梅と椿が咲いている。
梅はしだれ梅で早咲きである。

  

Posted by okina-ogi at 15:18Comments(0)書評

2023年12月06日

『松尾芭蕉俳句集』より(鷹)

                  夢よりも現の鷹ぞ頼もしき


会えないものと思っていた弟子の杜国に逢え、一緒に旅できることを頼もしく思った。
杜国は、先物買いで謹慎させられていた。
杜国を鷹に例えている。
鷹は、冬の季語である。
  

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2023年12月04日

『松尾芭蕉俳句集』より(雪の雲)

                 京まではまた半空や雲の雪

鳴海の沢に宿泊することにした。
芭蕉は空を見上げた。
雪のちらつく空を見て、京までは遠いなと溜息をつく。
当時の旅は徒歩だから、現代人には想像できない。

                星崎の闇を見よとや啼く千鳥
と宿で句にした。
  

Posted by okina-ogi at 16:12Comments(0)書評

2023年12月02日

『松尾芭蕉俳句集』より(秋の風)

死にもせず旅路の果よ秋の風

前書きに「野ざらしを心におもいて旅立ちければ」と書いて悲壮な旅立ちになった。
旅の途中で死んでも仕方ないと思っての旅だったが、生きて目的地に着けた。
そこには秋風が吹いていた。
  

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