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2014年10月28日

『学問のすすめ』 福沢諭吉著 伊藤政雄訳 社会思想社




江戸時代後期、明治時代を生きた人の著作を、訳書で読むこともなかろうと思うが、処分しようと思っていた蔵書の中にあったので、小旅行に持参した。それほど、ボリュームのある本ではないので、列車の中で読み終えた。さすが、古典というべき本だと思った。現在にも色あせていない。
偏見だったかも知れないが、福沢諭吉という人は、西洋かぶれだと思っていた。ただ、在野にあって自分の主張をできる珍しい日本人だとは思っていた。一番感心したのは、国民の多くが無知ではいけないという主張である。一部の人が、権力をもって支配する封建時代は、彼の最も嫌うところだった。地位、肩書き、家柄、財産、そうしたものだけが幅をきかせ、人々の自由を拘束したとすれば、なんと索漠とした人生を人は過ごさなければならなくなるだろう。そのようにならないためには、一人ひとりの精神的、知的向上が必要だというのである。人権を主張するのも良いが、学問をすることが必要だというのである。
何の学問が必要かといえば実学だという。お金に関係する学問。経済の分野に慶応義塾の卒業生は、世に貢献している。高校時代の友人に慶応の出身者が何人かいるが、経済界に就職した者が多い。加えて、法治国家の主張もある。なるべく、感情や、好き嫌いを排除したところで国や、組織の中で生きることが平和に暮らせるというのが、福沢の主張なのだろう。
しかし、心を癒やす学問もあって良いのである。文系と言われる学問分野も世の中に不必要とは思えない。ただ、福沢諭吉という人間は、人の人情というものがわからない人物とは思えない。


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『学問のすすめ』 福沢諭吉著 伊藤政雄訳 社会思想社
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