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2012年12月26日

『お伽草紙』太宰治 新潮文庫 578円

 もともと、「御伽草子」は、鎌倉時代末期から江戸時代にかけてできた、短編の絵入り物語である。『人間失格』、『斜陽』などの代表作で知られる、無頼派の作家太宰治に『お伽草紙』という作品がある。その存在を知ったのは、20代の時であるが、読む機会がなかった。つい数年前、津軽を旅することになって、読んで見る気になったのである。
 30歳少し前に、老年心理学を研究する人と知り合いになった。当時は、東京都老人総合研究所の職員をしていたが、その後筑波大学に奉職した。その後、私立大学の教授に就任し、今は退職して老年期を楽しまれている。その先生は、心理学の題材を文学から引用するのが得意だった。
 「太宰治に『浦島』という作品があって、玉手箱を開け、白髪のお爺さんになるという話は、ボケるということであると太宰は言っている。それは、仏様の慈悲なのだ。なぜなら、地上にはかつての肉親、友人の姿はなく、老人になることになることによって、その苦痛から逃れることができたのだ」
 そんな趣旨の解説をした。そんな記憶が、何十年も頭の片隅にあって、この本を読む機会が訪れたのだと思う。戦時中の作品で、こうした非常時に書いたことの事実も、新鮮な感じがあった。
 「御伽草子」には、「瘤取り」、「カチカチ山」、「舌切雀」などが収録されている。


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『お伽草紙』太宰治 新潮文庫 578円
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