2012年09月10日
心に浮かぶ歌・句・そして詩⑬
私の友人で、俳句の鑑賞に秀でた才能がある人物がいる。教育学から心理学を専攻し、現在桜美林大学の教授をしている。飲み友達であったこともあり、ある酒席で、佳い句があるからと言って次の二句を教えてくれた。
玫瑰や 今も沖には未来あり
海に出て 木枯らし帰るところなし
前句は、中村草田男。後句は、山口誓子である。同じ、海辺の風景に浮かぶ感慨を詠んでいるが季節は違うし、詩韻も対照的である。どちらも、優劣つけがたいと思った。浜辺に咲く浜茄子の花から、水平線の先に未来を想う。きっと希望のある未来だろう。一方、山や谷を越え、海に出た木枯らしには、最早帰るところがないという実感。木枯らしを自分に準えても良い。木枯らしを特攻隊員とする人もいる。昭和19年の作品である。
玫瑰や 今も沖には未来あり
海に出て 木枯らし帰るところなし
前句は、中村草田男。後句は、山口誓子である。同じ、海辺の風景に浮かぶ感慨を詠んでいるが季節は違うし、詩韻も対照的である。どちらも、優劣つけがたいと思った。浜辺に咲く浜茄子の花から、水平線の先に未来を想う。きっと希望のある未来だろう。一方、山や谷を越え、海に出た木枯らしには、最早帰るところがないという実感。木枯らしを自分に準えても良い。木枯らしを特攻隊員とする人もいる。昭和19年の作品である。
Posted by okina-ogi at 06:46│Comments(0)
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