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2012年12月09日

「野菊」

心に浮かぶ歌・句・そして詩62

「野菊」
 野菊という種類の菊はないという。雑草という名の植物がないのと同じで、野辺に自然と自生するように咲いている菊を総称して、そう呼んでいるのだろう。伊藤左千夫には、「野菊の墓」という短編小説がある。一度は、読んだ小説だが話の筋は思いだせない。正夫と民子の淡い恋の物語。二人はいとこ同士であった。民子の墓に、正夫が植えたのも野菊である。
「野菊」という童謡がある。作曲したのは、下総皖一であり、東京音楽学校(現、東京芸術大学音楽科)を卒業し、師事した信時潔と同様多くの校歌を作曲している。童謡や、唱歌にも作品があり、「野菊」の他にも、「たなばたさま」、「ゆうやけこやけ」、「ほたる」などは、今でも広く歌われている。
 下総皖一の弟子には、團伊玖磨や芥川也寸志がいる。童謡「野菊」は、清楚な感じのする曲であり、幼い頃の秋の風景まで思い出させてくれる。
1、遠い山から 吹いて来る こ寒い風に ゆれながら
  けだかく清く におう花 きれいな野菊 うすむらさきよ

2、秋の日ざしを あびて飛ぶ とんぼをかろく 休ませて
  しずかに咲いた 野べの花 やさしい野菊 うすむらさきよ

3、霜がおりても まけないで 野原や山に 群れて咲き
  秋のなごりを おしむ花 あかるい野菊 うすむらさきよ


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Posted by okina-ogi at 11:26│Comments(0)日常・雑感
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